東京ベース アパレル
以前に繊研新聞社の方に、「今元気のある小売店はどこですか?」と質問すると即答であがった名前がありました。
それが、TOKYO BASE(東京ベース)
その東京ベースですが今秋、カジュアル新業態「パブリックトウキョウ」を出店するという記事が4月27日の繊研新聞にでていました。
内容は、メンズ・レディス複合で、3店舗・2ECでスタート。
“メード イン ジャパン”“ハイ バリュー”“テキスタイル”をコンセプトに掲げ、ターゲットは20~40代の質にこだわる男女。「ユナイテッドトウキョウ」と同じく高原価率50%を目指し商品を展開していくようです。
TOKYO BASEというと「ステュディオス(STUDIOUS)」「ユナイテッドトウキョウ(UNITED TOKYO)」の2本柱でしたが、「パブリックトウキョウ」を新たに加え、ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)」やビームス(BEAMS)などの日系セレクトショップがいる市場に参入を狙っています。
勢いを増す東京ベースですが、”なぜ不況であえぐアパレル業界の中で勝ち進むことができたのか?”
トウキョウベースが持つ3つの特徴から勝ち組の背景を紹介していきます。
- 原価率50%
- 仕入れ方法
- スタッフの待遇
1.原価率50%
トウキョウベースは「ユナイテッドトウキョウ」を始めとし、今秋から開始する「パブリックトウキョウ」共に原価率50%という水準で展開していく予定です。
この原価率50%という数字は業界でも高く、多くのアパレルが20%~30%、ユニクロでも30%~40%ほどです。(多少の前後はあります)
「ユナイテッドトウキョウ」など自社企画は国内で生産しており、商品タグには生産国ではなく生産県を表記しています。
原価率50%は高いですが、この国内生産をすることによって、品質を安定させることができ、さらに商品追加、投入などのコントロールもしやすくなり売り逃しのリスクも軽減されます。
2.仕入れ方法
東京ブランドのみをセレクトしている「ステュディオス(STUDIOUS)」は、仕入れ方法に独自の計数管理があります。
それは定価販売の比率が仕入れた商品全体の6割を切ったブランドとは、次のシーズンの取引をしないというもの。
セレクトでは業績の悪いブランドは仕入れないというのが、基本ではあるのですが「ステュディオス(STUDIOUS)」の場合明確な数字と、仕入れを減らすではなく取引きしないという思い切った方針が特徴的です。
3.スタッフの待遇
アパレル販売員の給料は低いというイメージがありますが「ステュディオス(STUDIOUS)」は、個人売上の10%が給与に還元されるという制度があります。
年間売上7,000万円・8,500万・1億円の3段階で月給を設定し、売上の10%を給与として還元する給与制度で、要するに販売員で1000万の給料もありえるということです。
店長が店の仕入れを行い、店の売上を上げるためにスタッフたちも自発的に動き出す形がとれているのです。
「原価率50%」「仕入れ方法」「スタッフの待遇」この3つの背景が売り場を新鮮に保ち、勝ち組でいることができる背景の一部のように思います。
勝ち続けるステュディオスの次の一手、「パブリックトウキョウ」でさらに勢いに乗っていくのか?
今秋の出店を楽しみに待ちたいと思います。