ICタグ(RFID)で在庫管理はどれだけ効率化できるのか?

アパレル業界でも、急速に増えつつあるICタグや人工知能(AI)の活用。

ICタグ(RFID)の実力はいかに。ユニクロが挑む取組み。でもユニクロのICタグについて詳しく説明しましたが、ICタグの利点は、

  • 商品管理がスムーズになる
  • データ管理が効率的
  • 棚卸が楽になる
  • 売り切りがしやすくなる
  • 接客、店の作りに時間がさけるようになる

などの大まかな点が挙げられます。

このICタグが在庫管理を今後どのように変えていくのか、アパレル企業を通して紹介していこうと思います。

 

ICタグ(RFID)とは?

まず、RFID【Radio Frequency IDentification】とは、無線自動識別の機能を持つシステムの総称。(RFタグや電子タグ、非接触タグとも呼ばれます)

ICタグの構造は、ICチップとアンテナが組み合わされたもので、読み取り機の発する電波等を、アンテナが受けて、その電波等を電気に変えICチップに記録された情報を無線で返すことができます。

商品の色柄・大きさ・価格・製造時期・素材などさまざな商品情報を埋め込んでおり、それにより、業務の効率化、自動化に向けて幅広い適用が期待される技術です。

 

 

アパレル業界でICタグの拡大

アパレル業界では、ユニクロを始めオンワードや大手セレクトショップまでICタグが導入されていっています。

しかし、まだICタグの日本での歴史は浅く、企業がどういった活用をしているのか見えない所があるので、ブランド別に紹介していきます。

 

ユニクロのICタグ(RFID)

ファーストリテイリングのユニクロは、2018年春夏商品から全商品を対象にRFID(radio frequency identifier)タグをとりつけ、グループ全体で展開する3500店舗以上に導入しています。

店員は専用の機械を使うことで、商品検品業務や在庫管理が瞬時にできるようになり、余った時間で接客などにあてており、サービスの向上をさせています。

そのICタグを活かしGUやユニクロの一部店舗では、セルフレジを導入しており、ICタグの付いた商品を専用の棚の上に置くと、自動で商品データを読み取り合計を表示するようになっています。

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そして、RFIDタグのコストは1枚あたり10円程度が相場となっている中、ファーストリテイリンググループでは、年間で13億着の衣類を生産しています。ですので、10円以下で価格を抑えていたとしても、かなりのコストがかかっています。

ファストリ及び、各社はそれ以上の生産性を見越してICタグを導入をしており、2018年10月からは、有明倉庫で自動化したICタグで自動検品を行っており、倉庫内の人手を必要とせずに済み、人員を9割削減しています。

そして、中国など生産国から日本へ商品を発送する段階で、RFIDを貼付しており、今後も国内の倉庫を自動化していく計画です。

自動化したユニクロ有明倉庫

 

ユナイテッドアローズのICタグ(RFID)

大手セレクトショップ「UNITED ARROWS(ユナイテッドアローズ)」は、2014年から一部でICタグ(RFID)を導入しています。

16年秋冬からはコーエンにも広げて以降、生産性の向上に効果があると判断し、2018年来秋冬から順次、他ブランドにも広げています。そして、2021年3月期には全社への導入を完了予定です。

在庫管理、会計業務の効率化が向上しており、年4回行われる棚卸で「green label relaxing (グリーンレーベル リラクシング)」 では、1店舗で1回の棚卸しにかかる数が86.5人時だったのに対して、導入後は13.5人時で済んでいます(84%効率化)

他にも、店舗間移動の商品移動で必要な状態確認の時間を約30%~50%削減、会計レジの待ち時間の削減しており、今後は、マーチャンダイジング(MD)の分析にも活用する計画です。

 

オンワード樫山のICタグ(RFID)

オンワード樫山は、2016年に商品の約7割にRFIDを装着しています。2018年2月にはオンワード樫山の全商品に装着を完了し、RFID機器(読み取りゲート)を全倉庫に導入。そして、入庫・出庫・返品といった物流業務を始めています。

物流では2018年3月に11の物流拠点を4拠点に集約しており、トンネルゲートを使い、入出庫の情報をトンネルゲートで一気に読み取り、”パッキンを開けずに作業ができる”ことで、時間の短縮、人員の減に活用しています。

 

ZARAのICタグ(RFID)

ZARAなどを運営するインディテックスは、2015年に日本法人で展開する「ZARA」「Bershka」「Stradivarius」「ZARA HOME」の全ブランドの店舗に、ICタグ(RFID)を導入しています。

生産された商品にRFID(無線自動認識)タグを付け、袋に詰めた状態で物流センターに送り出されます。

本国スペインでは、2009年に導入を開始し、店舗で毎月2日間かかった棚卸しが1時間で終わり、接客や他の業務に充てられるなど業務効率が改善しています。

 

 

以上のように、大手アパレルがICタグの導入を本格化させており、業務や在庫の効率化を行っています。

冒頭で述べたように、

  • 商品管理がスムーズになる
  • データ管理が効率的
  • 棚卸が楽になる
  • 売り切りがしやすくなる
  • 接客、店の作りに時間がさけるようになる

などの利点がありますが、一方でコストやデータの正確さなど課題もあります。

現在は、資金力のある大手が導入を進めていますが、中小企業もICタグ(RFID)が当たり前になる時代も遠くないかもしれません。