【アパレル】縫製工場の悲惨な現状と展望。

先日、約20年アパレル縫製工場を経営されているかたと縫製現場のことなど、お話を聞く機会がありました。

数年前からお付き合いのある方で、”縫製業から見た業界の形”の興味深い話しを聞くことができたので、ご紹介します。

 

もともと私自身、学生の頃はビジネス専攻で、その後小売店でバイヤー、OEM、生地屋などの位置から業界の形をみることが多く、縫製業からの視点にとても興味がありました。

そんな中とても興味深かったのは、 「縫製代」「モノづくりの考え方」です。

縫製代は引き算方式?

まず縫製代の「従来と現在の違い」について違いを聞きました。

  • 従来の縫製代

素材代 + デザイン代 + 附属代 + パターン代 + 縫製代 + 利益 =販売価格

 

  • 現在の縫製代

販売価格 - 利益 - 素材代 - デザイン代 - 附属代 - パターン代 = 縫製代

 

このように、従来では縫製代は足し算として扱われていましたが、現在では引き算方式で縫製代が決定されていき、どんどんと日本国内で作ることができなくなっていています。

縫製業をされている方ならご存知の方は多いと思いますが、現在日本で流通する衣料品の国産比率はわずか3%に満たない状況です。

日本のモノづくりは、安くで衣類が作れる中国の人件費が高まると、ベトナムやバングラデシュ、ミャンマーなどに生産拠点を移していき流れるように”生産地の移動”が続いています。

 

そしてもう一点興味深かったお話が「モノづくりの考え方」です。

イタリアに行かれた際に、現地の人に日本人のモノづくりに対して言われたらしいのですが「日本人は日本でモノづくりをしようとする必要はない。海外の人は"Made in Japan"でなくても日本人のモノづくりの魂があれば、海外で作ったものでも関係ない。」

と言っていたようで、要するに「どこで(Where)、だれが(Who)」ではなく「どのように(How)」の要素に重きを置いているようにも感じます。

この話を聞いてユニクロの「匠チーム」が頭に浮かびました。

「匠チーム」というのは、ユニクロが実際にモノづくりの現場で行っていることで、世界TOPレベルの技術と知識を持ったベテランの技術者たちが、中国などの現地工場での全行程を教えるというものです。

品質を維持するために、技術を伝えるだけではなく、工場で働く人々の生産管理に対する心構えを変え、日本の優れた技とモノづくりの魂を育てています。

まさにこれは"Made in Japan"にこだわらず、「どこで(Where)、だれが(Who)」ではなく、日本人のモノづくりの魂を宿らせる良い実例ではないでしょうか。

以前から感じていることですが、アパレル業界では資本主義の形ができているようにも感じます。

資本家のように売手ばかりが儲かり、作り手はできるだけ安く抑えられ、工場はフル稼働で残業続き。もちろん全て当てはまるわけではないですが、縫製業は一部で売り手にコントロールされる労働者のような状態になっているような気がします。

今回、「縫製代・モノづくりの考え方」を聞き、縫製業からみた業界の形を新たに知ることができ、売り手だけでなく作り手も存在意義を再確認する必要があるなと思いました。