12月12日に放送された「ガイアの夜明け」で、縫製工場による外国人技能実習生に対するブラックな労務問題の放送があり、「セシルマクビー」などを手掛けるジャパンイマジネーションが、SNSなどで炎上していました。
放送では、会社名や顔にはぼかしが入っていたものの、ジャパンイマジネーションと特定され同社が謝罪していましたが、発注の大元であるとはいえ、会社のあり方がかなり問われる問題となりました。
炎上の原因は、孫請け会社の中国人実習生の労働状況が悲惨であったことです。
▼問題のあった労働状況は
- 休みは7ヶ月でたった1日
- 時給400円で長時間労働
- 残業197時間で手取り13万
- 支払いを逃れるための縫製会社が計画倒産
などの実態が放送されており、炎上へと至りました。

▼これに対し、視聴者のSNSなどの反応は
- もう絶対にこのブランドの服は買わない
- アパレル業界は闇だらけ
- ブラック企業
などなど、かなり視聴者の怒りをかっているよです。
▼ジャパンイマジネーションの回答としては
- 「一般労働組合及び番組制作会社から一報を受け、初めて認識した」
- 「取引先メーカーに確認した結果、問題の工場に対して該当商品を発注していたこと、労務問題の存在などが分かった」
- 「取引先メーカー様へ同工場での商品の製造を取りやめていただくよう申し入れ、本年9月をもって同工場での製造は終了している」
- 「今回の不適切な人権労働環境のもと製造されていたとすればまことに遺憾であり、その実情を知りえなかったことについては、大いに反省すべき点であると認識している」
などのコメントをしています。
今回の問題となった放送を見ましたが、孫うけ会社で直接の取引がないとはいえ、ジャパンイマジネーション側の対応が、火に油をそそぐ形になったようにも思えます。
小売店で働いていた身からすると、SPAでない限り縫製工場まで見えなくなるのは珍しくありません。下請けのOEMですら、どこで誰が縫っているか分からないこともあります。
かといって、ブランド側が「知らなかった」という対応に、反感を買っている部分もあります。
ただし、業界がすべてそういった物創りをしているかと問われると絶対に違います。
世界に誇る縫製技術を持ち、情熱を持った物創りの職人たちがMade in Japanを守り続けています。魂のこもった服作りをし、裏で業界を支え続けています。
今までは、表舞台にでることがありませんでしたが、小売店と工場とをマッチングさせるクラウドソーシングサービス「sitateru」、世界が認める日本の工場と、人々をを繋ぐ「ファクトリエ」なども登場し、物創りがより身近になってきています。
ですので、業界の物づくりの「想い」をこの放送で消費者の皆様が誤解を招かないことを願います。
まだまだ作り手が見えない、作り手が表舞台にでることのない業界に、大きな課題を感じる放送でもありました。